top of page
​高田井町の家

敷地は前面道路に緩い傾斜があり、地盤面と最大1.5mのレベル差があります。擁壁を設けず、そのレベル差はそのまま生かすデザインとしました。

012.jpg

道路や周辺の隣地から窓を介して室内を見ることができません。ガルバリウムの塀に囲まれた庭があります。大きな掃き出しの窓はその庭に面しています。

002.jpg

玄関・・・左手にシューズクローゼットがあり、玄関には下駄箱を設けず、スッキリとしています。

003.jpg

変化のある内部空間を検討しました。家の中心に各室につながるホールを設けています。ホールは玄関から入り、そこを介して各室に至ることができます。ホールは他の空間と雰囲気を変えています。グレーの左官塗りの壁と天井、トップライトからの採光など、他の空間と異なるデザインです。その為、各室への移動の際、空間に変化を感じます。変化が家の内部に奥行き感を生み出すものと考えます。

004.jpg

掃き出しの窓は2mの中庭の塀に囲まれ、前面道路からの視線を気にせず過ごすことができます。キッチンの上部のスリット窓は、隣家の窓と見合わせを避け、そこからは山だけが見えます。光と風を有効に取り込みながらも、落ち着いて過ごせる空間としています。
天井の仕上げは室内外ともシナ合板としています。室内の天井がそのまま外部の軒天井につながり、空間に広がりを感じます。

005.jpg

リビング、ダイニング、キッチンは一つの空間です。
その中でキッチンは場所的な意味より、ソファ、ダイニングテーブルから続く家具的な意味合いが強くなります。
高田井町の家では壁などの仕上げと異なるモルタル塗りのキッチンとしています。両面から使え、ダイニング側はハイチェアでカウンターとしても使うことができるものです。
調理器具・食洗器:ガゲナウ、水栓:グローエ 

007.jpg

リビングは掃き出しの窓からデッキのある庭へ出ることができます。
庭は2mの高さの塀に囲まれ、プライバシーが守られています。
デッキは手前と奥に連続しています。
手前のデッキは、庭をL型に囲むものです。奥へ進むと洗面脱衣室の勝手口につながります。デッキを介して、家の中で回遊する動線があります。
室内から外部の庇へと天井面が連続しています。 

018.jpg

敷地は地盤面と最大1.5mのレベル差があります。擁壁を設けず、そのレベル差はそのまま生かすデザインとしました。法面に大きめの砕石を敷き、地盤面と道路との段差を解消しています。
左手前に高い塀があり、その後ろに物干、浴室の窓が隠れています。右の個室の窓は高い位置にあり、隣家や道からは見えることがなく、それぞれプライバシーが守られています

013.jpg

ダイニングのテーブルは高田井町の家に合わせてデザインした物です。脚部を黒皮鉄で鉄工所のアイザラさんにお願いし、その上に天板を家具工事で取り付けていただきました。 

016.jpg

洗面台・・・モルタルコテ押えの天板の上に陶器の洗面器を置いています。奥の勝手口から物干しへと外部空間が繋がります。

009.jpg

寝室・・・部屋の中心付近に、両方向から入ることが出来るクローゼットがあります。床の仕上げをヘリンボーンに変え、壁の色を他の部分と変えて薄いグレーとし、寝室の中に異なる雰囲気のボックスが見えます。寝室の中に変化を創り出し、空間に奥行き感を感じさせます。

008.jpg

ホール夜景・・・ ホールの壁にはニッチを設けています。絵やフィギュアを飾るものです。 
黄昏時、青い光がトップライトから落ちてきます。

014.jpg

concept

敷地は前面道路に緩い傾斜があり、地盤面と最大1.5mのレベル差があります。擁壁を設けず、そのレベル差はそのまま生かすデザインとしました。法面に大きめの砕石を敷き、地盤面と道路との段差を解消しています。
外観はフラットな屋根が掛かった形状です。平屋であり、軒の出も深いため、水平線が強調されたデザインです。
そのフラットな屋根の下に、変化のある内部空間を検討しました。家の中心に各室につながるホールを設けています。ホールは玄関から入り、そこを介して各室に至ることができます。ホールは他の空間と雰囲気を変えています。濃いグレーの左官塗りの壁と天井、トップライトからの採光など、他の空間と異なるデザインです。その為、各室への移動の際、一旦違う空間に入って気持ちの切り替えがあります。空間の移動の際に変化を感じます。変化が家の内部に奥行き感を生み出すものと考えます。


data 
・所在地:兵庫県西脇市
・用途:住宅
・設計、監理期間:2016年9月~2018年4月
・規模、構造:
 ①延べ面積:104.34㎡
 ②木造平屋建て

・担当:川添純一郎建築設計事務所
・構造設計:ルート構造設計事務所
・施工:(株)中村建設

photo:冨田英次

bottom of page